2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

父が既に父でない場合、その子どもたちは

『ファンタジスタ』を文庫で読み直したんだけど、そうすると今度は『在日ヲロシヤ人の悲劇』を読み直す必要を感じる。父が父であることに恥じ入り、父ならざるものとして振舞うとしても、そこには誠実さよりも欺瞞が嗅ぎ取られるわけだが、だからといって父…

ブンブン分泌業

を読む。途中までよかったんだけどね。主人公の彼氏の最後の扱いは(中原昌也的な意味で)含羞の欠如がないと書けないのでは、と思う。父が父の場所に再配置されることによって押し出されてしまうんだけど、そうした「物語」に抵抗する「小説」が読みたかっ…

新赤を2点

日本宗教史 (岩波新書) 西洋哲学史―古代から中世へ (岩波新書)の2点を通読。この手の本は一度最初から最後まで読んで、あとは気にかかる時代や人物に関する別の本を読むときに、もう一度開いたりするのがいいのではないでしょうか。『西洋哲学史』だとストア…

さよならアメリカ、さよならニッポン

主人公にアルマジロを預ける友人はアメリカへ向かい、そのアルマジロはニホンと名づけられる。(ミツオビアルマジロなのに二本しか帯がないから)。前作で紙袋に唐突に書き込まれた文字の変奏がここでも。...っていきたかったんだけど「圏外」の携帯電話で召…

パースペクティブ

予定通り途方に暮れて、人生論を飲みながら読む。 ところが!ちょっと下の人たちから、まるで団塊の世代と同じようにビートルズからポップスに入り、他のバンドにいかずにそのままビートルズを聴きつづけた人たちが登場する。あるいは一方でもっとずっと先鋭…

『愛と暴力の現代思想』読書ノート

「貧しい者の部屋にはしばしば、凶悪なブツがある」という、「恐怖力」や、望んでもいないのに勝手に侵入してくるディズニー・グッズをめぐる「プーさんとどきゅん」もいいけど、ここで反戦落書きと公衆便所に関する若干のコメントを。 反戦落書きについて、…

今日購入した本

1.『レヴィ=ストロース「神話論理」の森へ』(みすず書房)渡辺公三・木村秀雄編 これを読んで『神話論理』にたどりついたことにします。(そればっかり) 2.『応用倫理学の考え方』(ナカニシヤ出版)小阪康治 3.『漱石の孫』(新潮文庫)夏目房之介 単行…

『ダメットにたどりつい』ているのか、僕は?

はっきりいいます。僕は数学が出来ないので、ダメットと直観主義に関して、数学嫌いにも分かるように記述していただいて感謝しています。もう直接ダメットを読むより、この本を典拠にしてダメットを読んだことにしたいくらいです。って結局ダメットにはたど…

その可能性の中心

まとめて購入した新赤版の岩波新書。最初に読むのは、世界共和国へ―資本=ネーション=国家を超えて (岩波新書)トラクリじゃん!ってのは言いっこなし。新書でこれだけ読めたら満足。 この本を買った人はこんな本も買っています。(人力) カントと永遠平和―世…

追いつき追い越す

ともに読了。えっと、各エッセイがどちらに収録されていたかゴッチャになるのはご愛嬌。(けっこうかぶっている)書物の物質感について(とみなせる)のエッセイがどちらにも収録されている。書物の物質感って、どんなにWebでのテクスト閲覧が便利になっても…

今日購入した本

1.『ミーナの行進』(中央公論新社)小川洋子 2.『わたしを離さないで』(早川書房)カズオ・イシグロ 土屋政雄訳 3.『ワールドカップの世界史』(みすず書房)千田善 入手したPR誌 『本』(講談社)と『創文』(創文社)

眠すぎる

昨日、今日と仕事が忙しかったので、『ダメットにたどりつくまで』を読んでいるうちに眠ってしまった。今目を覚ましたばかりだけど、眠さは依然として絶好調なので、今日読んだ本の書名を挙げるにとどめる。 1.読了本 『愛と暴力の現代思想』(青土社)矢部…

今日購入した本

1.『途方に暮れて、人生論』(草思社)保坂和志 猫に興味がなくても、野球に興味がなくても保坂和志は読めるのです。 2.『夜の公園』(中央公論新社)川上弘美 そりゃ好きだもの 3.『失踪者』(白水uブックス)カフカ 池内紀訳 ここにも肉が食べられない男が…

あともう少し

まだまだ読みます『真理の帝国』。法措定暴力、法維持暴力云々と、このドグマ人類学が、どこまで根を同じくして、どこから別れるのか考え中。法ー外なものをめぐるわけです。そしてそれはしんどい。

読了が重なる

3冊読了する。 キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション) まず、古川日出男。根拠もなんもないけど、この人の小説には、猫が天敵である鼠の勢いに溢れているような気がする。書かれるそばから読んでいきたい。で、カズオ・イシグロ。こ…

飲酒のあいまにこんなことを考えていた

散歩のあいまにこんなことを考えていたを飲みながら読みはじめる。気になる記述を拾い上げてみる。 ところが、どういう成り行きか、わたしは二年ほど前に、突然スモーカーになってしまったのである。 そもそもの始まりは、たぶん小説というものを書き出した…

アンテナの名前を変えました

ルー・リードのアレにちなんで。今日久しぶりにかけたので。「逆立ちしたりしながら」聞いていたわけではありませんが。

ドグマ漬け

『真理の帝国』第Ⅰ部『ドグマ的機能研究の争点』を読む。議論のベースに精神分析があるんだけど、(同時に)既存の精神分析の言説への批判を含んでいるため、読み進めにくいのも事実。だけど重要な部分はかなり繰り返して言及されているので、それを頼りに読…

nousとon

象徴の貧困〈1〉ハイパーインダストリアル時代読了。後書きの『アクティング・アウト(現勢化)』(邦訳仮題 新評論近刊)や、『愛・自己愛・友愛 9.11から4.21へ』(邦訳仮題 新評論近刊)という記述が気になりつつ。それぞれ特異な「わたし」によっ…

引き続き

『わたしたちが孤児だったころ』、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を読む。まだ入荷してないけど、カズオ・イシグロの新刊『わたしを離さないで』(早川書房)がまもなく出そうだ。ということは、バラードの『楽園への疾走』(東京創元社)も出るわけで。天…

新書戦争戦後秘話

というか終わってないんですけどね、新書戦争。 1.『西洋哲学史 古代から中世へ』熊野純彦 帯には「近・現代篇は今秋刊行予定」の文字が。 2.『世界共和国へ 資本=ネーション=国家を超えて』柄谷行人 「私たちの進む道はここにある!」のか? 3.『日本宗教…

『本の話』5月号入手

こりゃいいやの対談2本 三浦しをん×下村富美 「小説と扉絵の親密な関係」 坪内祐三×池内恵 「いつも本だけがあった」

今日購入した本

1.『愛と暴力の現代思想』(青土社)矢部史郎・山の手緑 何も言わずに買う 2.『散歩のあいまにこんなことを考えていた』(文藝春秋)松浦寿輝 『青の奇蹟』はやく読まなくちゃ 3.『ファンタジスタ』(集英社文庫)星野智幸 再読、再読(いつの日にか) 4.『…

岩波新書はおあずけ

問い合わせも多い『岩波新書』ですが当店は明日入荷です。斎藤美奈子は遅れているらしい。休み明けの店頭確認。 1.『後悔と自責の哲学』(河出書房新社)中島義道 5月発売予定の道徳の系譜『カントの哲学』池田雄一 は、代行さん情報によると延期かもとのこ…

『不安型ナショナリズムの時代』

読了。日・中・韓を開発主義でまとめてよいものか思案。 フリーター=夢を追う人という誤解はやっぱり解いていきたいよね。フリーター=夢を追う人と規定しつつ切り捨てる一方で、「これからはコンテンツ産業だ」と息巻いて「夢を追え」と言わんばかりの二枚…

クールの誕生 するそばから簒奪

ロラン・バルト (シリーズ 現代思想ガイドブック)読了。 だがバルトが記すには、『神話作用』で彼が実践した神話を脱神話化する読解法はいまでは広く浸透しているし、実は一般文化に同化吸収されてもいる。それゆえ、「ある(生活の、思考の、消費の)形式が…

しばらくドグマ漬け

を読み始める。といってもまだ予備考察まで。どうでもいいけど、背表紙の感じが『真理を求める人間』(産業図書)ジャン・ピエール・シャンジューに似ている。 と律儀?に読んでいってるものの、到底ローマ法に関する議論を読みこなせているとは言えない。ま…

再読二件

キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション) を読む。あ、『ライ麦』は野崎孝訳と原著(僕が英語で読んだ数少ない小説のうちの一つ)を読んで、春樹訳は読んでなかった。やれやれ。ちなみに『ライ麦畑の捕手』という直球過ぎるタイトルの…

飲酒の友

を昨日から読み始める。なにしろ僕の住んでいる地域は、死者のほとんどが釈○○もしくは釈尼○○と名づけられるようなところなのだ。今日で読了したい。

アンテナが

新規追加がずっとできない。僕だけじゃないようです。 http://d.hatena.ne.jp/DMaj7/20060419