2006-04-25から1日間の記事一覧

パノフスキーとヴァールブルク

『ヴィーナスの誕生』視覚文化への招待 (理想の教室)読了。そりゃ明らかにヴァールブルク好みなんだけど、パノフスキーもちゃんと使った上で、(使い終わると)いい梯子の外し方をしてる。僕にはまさに『理想の教室』だけど、中学生はやっぱり読まないよね、…

『文藝』前号の対談

上で触れた星野智幸との対談が面白かったので、新装版が出たのも何かの縁と、 を再読。上巻を読了。上巻に内藤千珠子の解説が収録されていて(この後まだ下巻が続くのに)ネタバレになってる。僕は一度読んでいるからいいけど、初めて読む人にとってはどうな…

父が既に父でない場合、その子どもたちは

『ファンタジスタ』を文庫で読み直したんだけど、そうすると今度は『在日ヲロシヤ人の悲劇』を読み直す必要を感じる。父が父であることに恥じ入り、父ならざるものとして振舞うとしても、そこには誠実さよりも欺瞞が嗅ぎ取られるわけだが、だからといって父…

ブンブン分泌業

を読む。途中までよかったんだけどね。主人公の彼氏の最後の扱いは(中原昌也的な意味で)含羞の欠如がないと書けないのでは、と思う。父が父の場所に再配置されることによって押し出されてしまうんだけど、そうした「物語」に抵抗する「小説」が読みたかっ…

新赤を2点

日本宗教史 (岩波新書) 西洋哲学史―古代から中世へ (岩波新書)の2点を通読。この手の本は一度最初から最後まで読んで、あとは気にかかる時代や人物に関する別の本を読むときに、もう一度開いたりするのがいいのではないでしょうか。『西洋哲学史』だとストア…

さよならアメリカ、さよならニッポン

主人公にアルマジロを預ける友人はアメリカへ向かい、そのアルマジロはニホンと名づけられる。(ミツオビアルマジロなのに二本しか帯がないから)。前作で紙袋に唐突に書き込まれた文字の変奏がここでも。...っていきたかったんだけど「圏外」の携帯電話で召…

パースペクティブ

予定通り途方に暮れて、人生論を飲みながら読む。 ところが!ちょっと下の人たちから、まるで団塊の世代と同じようにビートルズからポップスに入り、他のバンドにいかずにそのままビートルズを聴きつづけた人たちが登場する。あるいは一方でもっとずっと先鋭…