「世界」憲法論文選の続き

3「天皇をめぐって」と、4「思想の自由vs価値の強制」を読む。この本の内容から離れるけれども、昨今の女帝論議をめぐって、割とリベラル(新聞的意味合いで)と目される人々が「男女同権の時勢を鑑みて...」という風に割りと女帝に好意的な論調が多いが、それってどうなんだろう。女帝の導入が必ずしも男女同権を表すわけではないし、そもそももっと別の同権の阻害を温存している。さらに、女帝ともなれば、神事との兼ね合いが重要になってくるだろうのに、その点を考慮してないと思う。天皇天皇たる宗教的な源泉を捨象した上で拙速にも女帝を導入することにメリットはあるのだろうか。内実をほとんど欠くまま、この形式の存続じたいの吟味を考慮に入れないのが、他ならぬリベラル派(と目される人たち)であるということに不安を覚える。