ハイデガーはいまだに劇薬

これぞ新書っていう一冊。現代ドイツの言説を扱っているものの、
いちいち日本の状況と符合する。旧枢軸国の共通性?
ドイツの反動が「本来性の隠喩」として使うハイデガーニーチェワーグナー
の使用に「抗争」して、別のやり方で彼らを引用する政治性を確保したい。
「ドイツにおけるハーバーマスの奮闘振りには頭が下がる、但し彼のようにはなりたくないけどね」
なんて僕など思いがちですが、そんなシニカルっぷりをあらわしているうちに、
日本でもポストモダン保守の言説がヘゲモニーを握っているという事態が。
後半のEUをめぐる考察に関連する本に、「カントと永遠平和」(未来社)を挙げておく。