素敵な発言メモ
飲みながら読む「アートの仕事」。都築響一のインタビューは面白い。発言の抜き書き。
- (「ポパイ」、「ブルータス」を振り返って)
カタログはカタログだけど、もののチョイスって、人間の考え方を代表するものだと思うんだよね。「なんでコレじゃなくて、コレを選ぶのか」ってことに、その人がすごく出るから。
神様、僕もいいチョイスが出来ますように。
- 有閑なコンセプチュアル・アートにふれて
「明日も新聞配達で3時に起きないといけないけど、がんばろう」みたいな、ちょっと希望を持たせてくれるほうが、大事だと思うわけよ。頭だけのお遊びのネガティヴなものじゃなくて、ポジティヴな気持ちにさせてくれるのが、本当のメジャーなアートだと思う。
これって微妙で、市井の人の突拍子もない逸脱アートって確かにあるけど、たいがいの人の「ポジティヴ」なものって箸にも棒にもかからないものが多くって、下手すりゃ浄水器や健康食品の「ポジティヴ」になっちゃう。フツーの人の抱える「ネガティヴ」の方が実りが多いような...という問題。
- 杉本博司のピントをぼかした世界貿易センターの写真が5万ドルで売れているが、チンパンジーのミッキ君が撮ったクレムリンのピンボケ写真がそれに似ていると言う。それだけだったらまあ「ピカソの絵って子どもにも描けるんじゃないの」っていうつまらない話なんだけど、都築響一の凄いのは、ミッキ君の写真を杉本博司に見せて、
「俺よりちょっとボケ味がきついな」
という発言を引き出してくるところだ。