きばってないほうのテクスト

三島由紀夫文学論集』読了。ものすごく無責任なことを言えば、きばってないテクストの方がいいですよやっぱり。小説家の休暇より

サディストにとっては、真実の苦痛だけが必要である。ところがマゾヒストにとっても、拷問者の真実の憤怒だけが必要なのだ。
ともにその幻想は、彼自身の性的快感の原因および結果に、まったく性的ならざる衝動を仮定する必要があり、かくてサディストとマゾヒストは、馴れ合いで結ばれる場合はさておき、別々に幻想を抱いて孤独に生きることを余儀なくされる