初期マルクス

僕は吉本隆明の真面目な読者ではないし、今現在も吉本の「聞き書き」的な書物が矢継ぎ早に刊行され、かつどれもそこそこ売れるという現象には「不思議だなあ」という印象程度しか持たない。そんな僕なんだが、文庫化されたのを期に

カール・マルクス (光文社文庫)

カール・マルクス (光文社文庫)

を読んでみた。高校の時に読んだアレで、マルクスの「可能性の中心」を別の所に見出しちゃった僕は初期マルクスを最近になるまで真面目に読んでなかった。筑摩からマルクス・コレクションが出たり、岩波文庫フォイエルバッハの重版が集中的に行われたりしたのも相俟って、ようやく考えるようになってきた、って所だ。(岩波文庫の重版に関する余談、できればこのフォイエルバッハの重版は僕が大学の時に行われて欲しかった。しかも何気にヘーゲルも重版されてきて、マルクスを考えるのに手頃な環境が出来つつある。そういえばスピノザもほぼ全タイトル、新刊で流通しているのでは?ちょっとくやしいなあ。今、学部生である人たちはちょっと恵まれてるんだから、ちゃんと読みなさいね)「認識論的切断」の線は捨てたくないが、もうちょっと初期マルクスの「可能性」も見ていきたい。(稲葉振一郎に「そっちに可能性はないよ」って言われそうだけど)でも学位論文の例の「クリナーメン」が使えそうな予感。これ、評判高いけど(恥ずかしながら)未読なんだけど
受苦者のまなざし―初期マルクス再興

受苦者のまなざし―初期マルクス再興

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