ダイベック読了

決して前景化はしないものの、この連作短編集を通じてアメリカが経験した戦争を意識せざるを得ない。レフティ叔父と朝鮮戦争の暗さは分かち難く結びついているし、弟ミックが忌避するベトナム戦争は言わずもがな。恐らくこの2つの戦争の間を流れる時間と主人公たちの移動を考えてみたら面白いのではないか。シカゴが特異な参照点になってはいるが、ペリーたちは実によく移動する。