任天堂にたどりつかず

ユリイカ』読み始める。任天堂特集に入る前まで。中村稔の連載が、いよいよ原口統三に触れ始める。佐藤亜紀の「小説のストラテジー」:今回は笙野頼子の『水晶内制度』を取りあげていてこんな記述をしている。

これ(引用者注:『水晶内制度』)が出たのはトマス・ベルンハルトの『消去』の遅すぎた翻訳が出た翌年ですが、ベルンハルトに匹敵する圧倒的な作品を提示できる作家は、今の日本には笙野氏を含むごく僅かしかいないし、過去に遡ってもほとんどいないのではないでしょうか。

『消去』(ちなみに無茶苦茶オモロイ小説です)と重ね合わせるなんて考えもしなかったよ。(とはいえ、この回ではそれ以上の言及はなかったんだけども。『消去』の翻訳より『水晶内制度のほうが先のはずだが。)でも締めくくりに

 *引用は笙野頼子『水晶内制度』(河出書房新社 2003年)からです。

とあるのはいただけない。新潮社だよね。昨日読んだ『グラウンド・ゼロと現代建築』にも結構致命的な足し算ミスがあったし。(48+35=93?)
水晶内制度消去 上