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少女小説から世界が見える
読了。『若草物語』、『家なき娘』、『小公女』、『赤毛のアン』、『あしながおじさん』を素材に、少女の境界性をめぐっての考察。これらの少女小説において、もちろん少女は近代家族に回収されてしまう。しまうんだけど、当然そこからズレていく小説の運動があるのであって、そこに抵抗(のようなもの)を見るのは可能なのではないか。いま僕が考えているのは、19世紀というか産業社会が生んだ少女というステイタスを、『現代思想』で連載中の立岩さんの主婦論争の話と繋げていけるのではないかということだ。もちろん思いつきの域は出ていないけど。

余談:もう一回『噂の娘』金井美恵子を読み返さなくちゃなあ。