読んだ気にさせて

『貨幣の哲学』という作品―ジンメルの価値世界 (SEKAISHISO SEMINAR)

『貨幣の哲学』という作品―ジンメルの価値世界 (SEKAISHISO SEMINAR)

「貨幣の哲学」できるならば読まずに済ましたく、こんな本を読んでる。向き不向きがあるのか、ジンメルって読んでもわかったようなわからないような読後感がある(端的にわかっていないだけに思われる)だからもう、わかった気になりたい。でも、『はじめに』は「『貨幣の哲学』はなぜむつかしいか」と見出しが付けられているように、やっぱりこっちの「さらーっと理解したい」という怠惰な態度を拒絶するのかもしれない。しかも、

本書を読むにあたっては、それゆえぜひとも座右に『貨幣の哲学』の原書とは言わないまでも訳本をおいて、見比べながら読んでいただきたい

なんて書いてあるし。まさにそれをしたくないがために読もうとしているこちらの出鼻をくじかれた格好。貨幣もびっくりの循環である。今のところ、第3章『貨幣と価値』まで読了。貨幣を「距離」と見るか、「犠牲」と見るかそれで随分変わってくるのに、ジンメル自身がわかりにくく書いているので難しい。とりあえず前進してみます。