マルクスに誘われて

自伝風味の本なので軽い気持ちで読み始めるが、溢れんばかりのマルクスに対する愛の深さに当てられる。
果たして僕は、何か一つの対象に対して心血を注いだ事があっただろうか、と自問するも、答えはすぐに出た。否、と。
教養から専門に進学する頃に学問からリタイアしてしまったので、人文系における研究というものをしていないんです、実は。
だから、自分はいつまで経っても永遠の教養学部生なような気がしてならない今日この頃。一冊の本を精読したことなんて
久しくないですよ。広く浅くしか読めない。だから真面目に研究をやってる方々には負い目を感じる。皆さん頑張って下さい、
って無責任な事しか言えない。でもいい作品は可能な限り読みますから、こんな読者がいるって事を、頭の片隅に置いて
研究に励んでください。これはもう自分よりも年下でもあろう院生、学部生の人たちへのアナウンスメントでもあります。

マルクスに誘われて―みずみずしい思想を追う

マルクスに誘われて―みずみずしい思想を追う

ちょっとした自分の立ち位置の確認でした。