今日読んだ本

1.読み始めた本
(1)『イリアム
意を決して読み始める。忘却の淵から『イーリアス』を無理矢理引っ張り出して。
(2)『テレビは戦争をどう描いてきたか』
第1章「モノローグに閉ざされて」
第2章「戦場で何があったか」
読み始めなんだけども...映像分析というよりもっぱら言葉の分析をしているのが気にかかる。
(3)『夜の旅その他の旅』
ほんとにちょびっとずつ。いかにもなオチもアリですよ。
2.読了本
(1)『資本主義に徳はあるか』
ない。終わり。じゃなくて資本主義は反道徳的じゃなくてそもそも非道徳的なのであって、それゆえ(問題もあるが)うまくいく。そこに道徳が(内側で)しゃしゃりでるとロクなことは無い、と。これは共産主義の(不)可能性の残響ですね。現存した共産主義体制が非人間的であったためにダメだったのではなく、その人間主義によってダメだったという(泣ける)指摘。
ところでこれらの話はものすごく基本的な話な気がするが、巻末での聴衆との対話でその「非道徳的」な資本主義があんまり理解されてなさそうなのは、フランスの「ソーシャル」さゆえか?
科学ー技術秩序(経済はここに)
法ー政治秩序(デモクラシーの暴走も忘れず指摘)
道徳ー秩序(カントの義務論)
倫理ー秩序(アラン的なスピノザです)
この4つの相対的な自律性を尊重してかつ、どれか一つが暴走(=純粋主義)に陥らないようにする、と。中庸ですな。ポスト68年ってえのは寂しいねえなんて(個人的な)感慨もあるのだが、転向するにもここがギリギリ誠実なところだろうね。
(2)『大卒フリーター問題を考える』
「職員から見た大学の学生サービスのあり方」畑秀和
「マージナル大学のソフト・ランディングは可能か」遠藤竜馬
遠藤論文が面白いのだが、これに関してはすごくダラダラと書けそう&収拾つかなくなりそう。いずれまた。
(3)『nu』2号
岸野雄一×細馬宏通でシメ
(4)『InterCommunication』58号
盗作問題に触れての松浦寿夫の美しい一文

つまり、そこで盗まれ、蹂躙されたのは単なる造形的な手法ではなく、セザンヌの感覚であり、生であり、その足場であったのだ。

同様に? 田中純もイメージの身体性にふれ、その領有・変形に対する倫理を語っている。
(5)『月にひらく襟』
久しぶりに読み直してハッとする場面多し。美しい。
(6)『泥の文明』
民主から共生へ ってちょっとな。この題目の麗しさと、それがいったい何を引き起こすかはまた別問題。善意は疑うべくもないが、その善意が...
イリアム (海外SFノヴェルズ)テレビは戦争をどう描いてきたか 映像と記憶のアーカイブス夜の旅その他の旅 (異色作家短篇集)資本主義に徳はあるか月にひらく襟