新刊購入会議(脳内)

A:まず何も言わなくても『ユリイカ』(古川日出男特集)と『現代思想』(ホームレス特集)は買うだろ。
B:今回さあ『思想』が丸山特集なわけで...執筆陣がこれまた豪華なんだよなあ。
A:読めと、買えとおっしゃってるわけね。よござんす、受けて立ちましょう。
B:そろそろ新潮文庫が出ると思うけど。
A:物量作戦には物量作戦で応じます。
B:応じちゃうんだ。応じちゃうんだよなあ。哲学のエッセンスで『スピノザ』なんて出ちゃうけど。
A:(一呼吸)精神の眼は
B:(思わず)論証そのもの
A:決まりだな
B:(そうなのか?)ですね。これは?『資本主義から市民主義へ』
A:対談だなあ。...ちょっと後回し。
B:(優先順位あるんだ?)これだけでもけっこうな冊数ですが、これを乗り越えても、新潮社の単行本でまた一山来ますが...
A:いやあ、それなんだよ、問題は。青山、鹿島田、黒沢、本谷。安吾チェーホフってぇのもあるな。どうすんだよ、これ。
B:「どうすんだよ、これ」ってもう決めてんでしょ。しかも一番野蛮な解決法でもって。
A:うーん、ほとんど決めかけてるけどな。まだ大逆転が起こる可能性は無いとは言い切れないよ。
B:さいですか。もう出てるってうわさの『雰囲気の美学』と『フッサールの脱現実化的現実化』なんて、まさにあなたが読まなきゃいけない本でしょ。
A:そうなんだけどさ。(小声で独語)しんどいことはやりたくないなあ。いやね、読みたいのはやまやまなんだけどね、読みたいのはやまやまなんて言っているうちに文字通り読みたい本の山が出来ちゃっていてね、そのことごとくが未読っていう現実があるわけ。悲しいことだけど。
(間)
いや、だから読まないなんて誰も言ってないよ、そこは誤解しないでよ。ただちょっと(無限に近い形で)先延ばしになるかもなあ、って見通しよ、見通し。あくまでね。
B:あなたの読書傾向からすると、読まないといけない本ほど先延ばしにする傾向がありますね。
A:それは言わない約束でしょ!


この会議の暫定的な結論は、かなりの確率で成就する(してしまう)とみた。