近刊パトロール

もうまもなく出るようだ。「ビフォア・セオリー」(慶応義塾出版会)田辺秋守。しかし、いいタイトルだなこれ。慶應義塾大学出版会のサイトより引用

<現代思想>とは、時代のアクチュアリティーを課題とし、脱領域的で、ラディカルであり、常に論争的な性格を持つ「現代の理論」である。本書では、20世紀の代表的な思想家たちの<争点>を浮き彫りにしながら、思想の争点自らに<思想>を語らせる。複数の学問領域を横断しつつ、表層的な現象の深層で進行する事態を明らかにし、根源的、根底的、徹底的にその課題を問う理論的知。その絶え間ない批判と反批判の中から、20世紀という時代が垣間見える。


ビフォア・セオリー
現代思想の<争点>

第1章 モダンとポストモダン
1 「モダニズム」の後の「ポストモダン
2 モダニズムの擁護(T・W・アドルノ
3 モダニズムからアヴァンギャルドへ(ぺーター・ビュルガー)
4 ポストモダンの到来(フレドリック・ジェイムソン
5 モダンの極限としてのポストモダン(ジャン=フランソワ・リオタール)
6 モダンの潜勢力(ユンゲル・ハーバマス)
7 ポストモダンの功罪(テリー・イーグルトン)

第2章 主体と他者
1 「反人間主義」批判(アラン・ルノー/リュック・フェリー)
2 超越論的自我による他者の構成(エトムント・フッサール
3 倫理の根拠としての他者(エマニュエル・レヴィナス
4 コミュニケーション的な相互主観性(ハーバマス)
5 無意識の主体と大文字の〈他者〉(ジャック・ラカン

第3章 イデオロギー
1 イデオロギーとは何か(イーグルトン)
2 「転倒的な」意識としてのイデオロギーカール・マルクス1)
3 物象化としてのイデオロギーマルクス2)
4 正当化としてのイデオロギー(ハーバマス)
5 国家のイデオロギー装置(ルイ・アルチュセール
6 イデオロギー的幻想(スラヴォイ・ジジェク

第4章 理性と非理性(ミシェル・フーコー
1 非理性についての認識論的序説
2 狂気の宇宙論的経験
3 狂気の古典主義的経験
4 人間学的経験の誕生
5 フーコーの方法と是非を問う(ジャック・デリダの批判)
6 狂気と法的主体
7 異常性の系付図

第5章 アクチュアリティの所在
1 権力とは「なにか」ではなく「いかに」(フーコー1)
2 生―権力の網のなかで(フーコー2)
3 「来るべき民主主義」の問題(ジャック・デリダ
4 「世界システム」の行方(イマニュエル・ラーステイン)
5 マルチチュードという主体(アントニオ・ネグリ

http://www.keio-up.co.jp/np/detail_contents.do?goods_id=1006 サイトでは3月25日発売ってなってるけど、まだ入荷してない。だけど確実に事前に注文しているのでもうすぐ入るはず。他には3月28日発売の倫理学のテキストも面白そう。

「談」別冊の「酒」も3月27日発売みたいだ。地方小の注文FAX見た記憶がないので、入荷したら追加注文をかけようっと。

あそうだ、インスクリプトから出るランシエールの新刊「民主主義の憎悪」というタイトルだった。こぶしのアドルノは「フッサール現象学における物的ノエマ的なものの超越」


今日は教育書の補充に明け暮れた一日。あんまり書評をゆっくり読めなったけど、朝日の源ちゃんによる「名もなき孤児たちの墓」評の衝撃的な結末に唖然。売れるといいね。