読んでいた...

てっきり未読だと思っていた『ひとり日和』、なんだか読んだことのある話だなー、と読みすすめていくと、なんのことはない実際雑誌で読んでいたのだった。そのわりにはほとんど覚えていなかったんだけど...
やや気になるところ。主人公の同居人のお婆さん(71歳)の会話文

若いころの、かなわぬ恋である。
「その人ねえ、優しくって、背が高くって、目がこんなにくりくりしてて、いい人っだったねえ。台湾から来てた人だけど、日本語上手だった。結婚したいなと思ったんだけど、みんなに反対されて、そのうちその人、国に帰っちゃったのね。(以下略)」48ページ

この小説における「現在」が何年かは明示されていないが、(ほぼ)「現実」の「現在」時と重なるように思われる。(そのかわり春夏秋冬の区切りは与えられている)そして現在71歳のお婆さんが「若いころ」の「かなわぬ恋」の相手が「日本語上手」な「台湾人」であることの背景は? とかさらにはその時代に「国に帰っ」てその後どうなったのか? とか考えてしまう。
あと、主人公の母(『母は、私立の高校で国語を教えている。今度中国へ行くことになったのもその関係だ。先生同士で、交換留学みたいなことをやるらしい。)が、その中国で「現地の人」に「結婚しようと言われただけで、する気はない」という対称性とか。
本チャンの主人公をめぐる物語は、非歴史的&非政治的に進んでいくのだけど、ところがどっこい「政治」はどんなに「非政治的」だと思われるところにも現れるわけで...
というのが読後20分くらいの感想です。
1.読み始めた本
(1)『南原繁の言葉』
(2)『ぼくの血となり肉となった五○○冊そして血にも肉にもならなかった一○○冊』
僕もまた二十代後半で、かつけっこう無理して本を読んでいるんだが、それはこの時期を逃すともう本をじっくり読めないのではないかというあせりもまたあるわけで... ということを考えながら冒頭のインタビューを読む。
2.読了本
(1)『ひとり日和』
(2)『サブカルチャー文学論
(3)『エセー2』
かりそめの読了。飛ばし飛ばしまた読むでしょう。
(4)『日本人はどこへ行くのか』
(5)『政治診断学への招待』
こっちは狙いが空転しているのではないかと思う
南原繁の言葉―8月15日・憲法・学問の自由ぼくの血となり肉となった五〇〇冊 そして血にも肉にもならなかった一〇〇冊ひとり日和政治診断学への招待 (講談社選書メチエ)